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エマ ~恋するキューピッド~のRukaのレビュー・感想・評価

4.0
正直に言うと、前に一度観た時は1話の途中でやめました。主人公のエマにとことん魅力を感じ得なかったのが理由でした…
ジェイン・オースティンの作品はいくつか観ていたので、それでこの子が主役なのかと、驚きもしました。評価が高いことが不思議でならないくらい、初めは主人公の不快なほどの偏見持ち、そして価値観の押し付けによるお節介!我慢なりませんでしたね、一回目は笑
が、まさかの裏切られましたね……良かったです。本当に。彼女は、ナイトリーの存在で大きく人として救われている。彼はとてもできた人、紳士的で思慮深く、そして凄く愛情深い人。彼の存在がなかったら、私も何とか堪えて2話目以降を見ようとはしなかったでしょう。ああ、ここにこれぞジェイン・オースティンが、と思いました。
ただ、エマについて、彼女は初めとても魅力がない人だと思っていましたが、彼女の口から出る人への配慮の深さは本物だと思いました。その場面を何度か観て、素直に凄い子だと思いました。そして、彼女は過ちをそのままにすることはせず、しっかり省みて最後は凄く魅力的な女性になった。
たった4話の物語で、ここまで印象を変えられるとは思ってもみませんでした。笑
正直、本当にびっくりしています。自分がまさか以前1話でやめてしまったドラマに4をつけることになろうとは…
あとは、個人的に3話の舞踏会のシーンが好きでした。ヨーロッパの物を観ていると、大抵ダンスを踊るシーンがありますが、ダンスの名前までは出てこないので。ああ、このダンスはそういう名前なのか、と初めて知りました。凄く楽しそうですよね、日本人の私にはあれらダンスは踊る機会がなさそうで残念です。
とは言え、最近は昔のものを観ながら、現代で当たり前にある教育の提供や、身分差のない社会、それらに対して考えずにはいられません。昔は、多くの人にとって、とても窮屈で不自由な世界。その世界の中で幸せに暮らしている人がどれ程いたのだろう。漏れなく私もその一人であったはず。エマは、彼女が特別だった訳でもなく、きっと多くの貴族人がそういう当たり前の価値観で生きていたのだろうと思うと、本当に。今の時代に生きることに、思うところがあります。もっと自分の生に対して誠実に、大切に日々を生きなければ、そう思います。
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