ゆも

乱暴(わいるど)なロマンスのゆものネタバレレビュー・内容・結末

乱暴(わいるど)なロマンス(2012年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

☆3話くらいまでは正直ウンジェ(イ・シヨン)、及び、その家族のアンチ行動にイライラしてしまっていた。いくら嫌いな野球選手だからってそこまでやったら犯罪すれすれじゃない、、、?と思っていた。我慢して観ていたらだんだん続きが観たくなった。全然イチャイチャシーン少なかったな~~~

☆ドラマの大筋自体は、お互い嫌いだったもの同士が好きになって最後はハッピーエンドという、さして珍しいものではない。だけど、「嫉妬」という明白なテーマによってドラマに深みが出ていたように思う。
・ジョンヒ(ジェシカ)の絵の才能に嫉妬するスヨン(ファン・ソンヒ)。
・ジョンヒがムヨル(イ・ドンウク)の元恋人であることから嫉妬するウンジェ。
・ムヨルの野球の才能に嫉妬するコ記者(イ・ヒジュン)。同じくムヨルに嫉妬している、、、かと思いきや、実際は愛で包んでいるドンス(オ・マンソク)。
・愛をもらえずに育ち、自分より良い境遇に見える者すべてに嫉妬するソ・ユニ(ホン・ジョンヒョン)。
・ムヨルが愛するものすべてに嫉妬する家政婦ソニ(イ・ボヒ)。
コミカルな中にとってもいいテーマが入ってた。

☆特に家政婦ソニの嫉妬はすさまじかった。彼女のしたことは許されないことで、加害者であるのはたしかな事実。だけど同時に、彼女は男社会の被害者なんだよね。

「姫の愛は童話になり、魔女の愛は呪いになる」という言葉。昔読んだ、「お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門」(若桑みどり著)という本の内容を思い出さずにはいられなかった。白雪姫やシンデレラなどのお姫様たちは美しさだけで王子に好かれている。女性が男性から見た目で「評価」される世界では、美しくなくなって必要とされなくなった瞬間に嫉妬深い年増の女になってしまう。シンデレラでいうところの意地悪な義姉妹や継母、白雪姫でいうところの魔女。

さて、ドラマに話を戻すと、たしかに女のこと評価したがる男も残念ながらいっぱいいるけど、もっと広い世界があるよって誰もソニに教えてあげられなかったんだなあ、と思うんだよね。
ところで、ソニはまあドラマの中の人だし結局加害者だからどうでもいいっちゃいいんだが、さておき視聴者の救済はせめてしてほしかったなあ。ムヨルの「誰かを愛することは罪ではないのにどうしてこんなに鳥肌が立つんだろう」(字幕無視して原文に近づけて書きました)ってセリフがあるけど、あれ、もっとはっきり言ってほしかったな、、、。あれじゃ、未来のソニになりかねない若い女性も、ソニと同じ気持ちを抱いたことのある中高年の女性も、救われない。
全体を通してみれば、ムヨルが見た目でウンジェのことを好きになってないなんてもちろんわかりきったことだけど、それでも、分かりやすい救いの言葉がほしかった。てかウンジェかわいいし。

☆個人的な愚痴?を言えば、ジョンヒ、、、というよりジェシカはかわいいってより美人に感じて、ぶりっ子キャラに頭が追い付いていかなかった。それに対してウンジェが可愛すぎる感じする。だから、ムヨルと両想いだと知ったときのあのぶりっ子みたいな演技がめちゃくちゃ嫌だった。そのままでかわいいのに。
でも、最後まで変に髪の毛伸ばしたりせずショートヘアで変な服のままだったのはめっちゃよかったな。変な服は失礼か。

☆おまけ:
愛の不時着のオ・マンソクの演技が良すぎて悪人に見えてきちゃうので、このドラマでまるっきり別の役で観れてよかった~~~~!
ゆも

ゆも