ロックウェルアイズ

マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~のロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

5.0
本当に素敵なドラマだった。
完走した韓ドラはまだ2本目だが、好きな韓国ドラマ聞かれたらまずこの作品を挙げたいくらいに好き。
頻繁に見たいというよりも、忘れた頃にもう一度見て、辛いことからたくさん救われたい。そんなバイブル的なドラマ。

一気見とかできないタイプだからこの長さでも半年くらいかかってしまったけど、本当に毎話毎話面白かった。
よく言われている最初の3話は個人的にはそんなに気にならず。
ただ、回を増すごとにどんどん面白さが増していく。
特にラスト2話は格別で、これのために観てきたんだと言える最高の結末。

全体的に暗く地味で辛く、ジャケットはほぼ詐欺。
でもそんな闇の中に時折現れる、ドンフンの身に沁みる言葉や陽気な後渓の人たちのパートが希望の光で、最終回へ向けて少しずつ少しずつ凍りついた人々の心を溶かしていく。
といってもやはり社内の覇権争いは観てられなさすぎて日常パートだけ観ていたかった。
会社内で露骨に派閥争いとか昇進争いとかやり合ってる時点で会社として終わり。
会長は良い人なのになんで下があんなになるのかは謎だが……

基本的に辛い展開が続き、視聴者に何話も鬱憤を溜まらせて、救いも各回最低限。
そうやって出来てきた胸のしこりが、ラスト3、4話くらいでいきなり一つずつホロホロと崩れ、心が解放されていく。
このドラマは何気ない感動が良い。
なんてことない日常が何よりも辛くて愛おしくて。
周りの人への感謝とか心の解放とか、本当ちょっとしたことなんだけど、何故か涙が止まらなくなる。

ジアンとドンフンの関係性も良かった。
距離離れていてもいつもどこかでお互いを思いやり心で繋がっている感じ。
ジアンがドンフンに近づいた理由が理由だから、心を許したことはわかっていたけど最後の方まで恋愛感情があるとは気づかなかった。
ドンフンが吐いてきた言葉がしっかりジアンの心に響いていたことも分かって、また泣けてくる。

いや、それにしてもIU様!
可愛くて美人で性格も良くて、歌も演技も上手いなんて、神様は二物も三物も与えすぎだよ。
イ・ジウンがイ・ジアン役ってことで役に憑依しやすかったのかもしれないが、本当に彼女でなければ務まらなかった役。
回を重ねれば重ねるほどジアンの表情が柔らかくなっていくし、涙や表情ひとつひとつが美しい。
はじめはただ無口で無愛想なクールIUだったのが、気づけば純粋で良い子なキュートIUになっていて、ラストもしっかり生まれ変わっていて泣けた。

他の役者もみんなすごかった。
三兄弟、後渓の人たち、会社の人たち、ドンフンチーム、各パートナー、良い役も嫌な役もみんな人間的で魅力的。
耳野郎とか佐野史郎とか本当にイライラしたもんな。
ユラも最初は大丈夫か?って感じだったけど、ギフンと距離が縮まれば縮まるほど綺麗になっていって、恋したユラなんか本当可愛すぎてやっていけないよ。

そして、キャストといえばこの人のことを語らずにはいられない。
昨年末入ってきたイ・ソンギュンについての悲しい知らせ。
「死にたい時こそ死ぬな」
「なんとでもなると自分で思えばなんとでもなる」
って自分で言ってたからこそ、受け止めきれない。
ちょうど観始めた頃のニュースだった。
「왜?왜?」って叫びたい。
でも、ありがとうイ・ソンギュン。
本当に素敵な作品をどうもありがとうございました。