IPPO

大丈夫、愛だのIPPOのレビュー・感想・評価

大丈夫、愛だ(2014年製作のドラマ)
4.1
難しいテーマを連ドラだからこそ丁寧に重くならないように、観ている人達に関心を持ってもらうようきちんと作ってる。
題材は『心の傷』。失恋とか挫折とかじゃなく医学的な『精神病理』の方。家庭環境や幼い頃に受けた心の傷が、大人になりどのように生活や人格に影響するのかを描き、ラブコメやミステリー調の要素を取り込んだ大傑作だった。

コン・ヒョジンってすごいなぁ。演技も身のこなしもナチュラルで素敵過ぎる。女として、娘として、医師として、誰かの恋人として、全てを自然体に演じていた。

チョ・インソンの役は韓流ドラマあるあるの背が高いクールでいけすかないイケメンで魅力を感じなかったけど…クライマックスが凄まじい演技だった。つらさが画面越しに伝わる深い演技だった。

色々な伏線や人物が出て来て、見る人によって解釈は様々出来るはず。
少しネタバレになるかもだけど、自分としてはこの作品は、
父の暴力に怯え、偽証することにより兄を売って、母を守り抜いた、そんな傷だらけの16歳の少年の壊れそうな心の物語、虐待によって崩壊した家族の再生の物語だったよなと感じて…胸がいっぱいになった。洋楽のfamily of the year「HERO」という曲が必ず虐待の記憶のシーンで流れる。爽やかな曲との絶妙な取り合わせもまた秀逸で見せ方がいちいち良く出来た作品だ。

最後に、
傷付いた人にきちんと寄り添う、乗り越えた人は力になってくれた相手をきちんと支える、その人間の絆の素晴らしさが描かれていて、あたたかかった。
IPPO

IPPO