はんそく負け

ポリス×戦士ラブパトリーナ!のはんそく負けのレビュー・感想・評価

3.0
怪盗たる『ファントミラージュ』がシリーズのいろんな壁を破壊してしまったので、秩序を取り戻すべく警察モチーフが取り入れられたんじゃないかという気がする。実際前作に比べれば派手さはなく、多少の挑戦はあれど大きくは逸脱しない堅実な作り。しかしその挑戦が斬新で、要するにエピローグにかなりの時間を割いている。これを「秩序」の観点で捉えれば、警察はラスボスを倒して終わりなのではなく、その後の平和も守っていく必要がある、というふうに受け取れる。実際内容もいわゆるバトンタッチで、秩序=シリーズ継続に貢献していたと思う。とても興味深く見た。
難点を挙げるなら特撮系のゲストが多すぎたと思う。正直リアルタイムでは楽しんでいたが、振り返るとそればっかり印象に残っていて、あまり良くないと思う。逆に特オタじゃなければピンとこないだろうし。ゲストに関してはこれまでのシリーズ同様、三池文脈っぽい新進俳優や芸人路線とうまくバランスをとってほしかった。
ベストは35話「ソラの星に願いを」。自分の可能性を否定する少女を、かつて同じ境遇であったソラが諭す。敵であるパック&リンチョも保身のために共闘するのだが、それもひとつの「可能性」に違いなくて感動する。こういう優しさが嬉しい。