“私たちより幸せな二人はいない。”
実在する小説“ダロウェイ夫人”の作家ヴァージニア・ウルフの執筆時と、異なる時代でその小説に触れた2人の女性の人生の三軸が群像劇のように進み、一つの音楽で纏まる。難解でありながらも、それを超える映画の力を持つ作品だった。
スティーヴン・ダルトリー監督の中で唯一見ていなかった今作を満を辞して。ニコール・キッドマンが当時アカデミー賞を受賞しているのはもちろん、メリル・ストリープもジュリアン・ムーアの演技もとんでもない。三人の物語は時代設定も違いほぼ重なる事はないけれど、それぞれのシークエンスでお互いが演技合戦をしているかのようにどんどんとボルテージが上がっていく。どの話もそれ一つでも映画になりそうだった。個人的にはジュリアン・ムーアに軍配をあげたい。
時代が変わっても変わらない幸せの概念。私の問題は私にしか分からない。