烏丸メヰ

パルスの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

パルス(2006年製作の映画)
2.9
連絡をよこさなくなった彼氏を案じる主人公と、その仲間達。
主人公が彼氏の部屋を訪れると、そこにはパソコンと、どこも変わりのない彼氏の姿が。安心したのも束の間、彼はその場で……
その日から主人公達の身の回りで、そしてアメリカの町で、奇妙な現象が多発していく。


邦画『回路』の不気味さや描写を忠実に継承しつつ、アメリカの学生達を主人公に据えることでより具体的に、直線的に、難解さを削ぎ落としエンタメホラーとしてかなり観やすく仕上げた、Jホラーの味わいを活かし海外の人の恐怖感にうったえかける良リメイク。

整理されたストーリーと、何よりも怪異に具体的デザインを持たせたのはアメリカらしい超改変。
ここが原作『回路』の
・雰囲気や繊細な描写で忍び寄るように恐怖を描く
・他者と繋がるインターネットを通して人間の孤独を描く
・SF的な世界観
といった箇所が好きな人には好みでないかも。
しかし視覚的醜悪性を形にしたデザインには、個人的には思わず「かっこいい!」と声が出てしまう描写もあった。原作で出てきた象徴的な“しみ”や“赤いテープ”の描き方の違いにもリメイク版では違った個性がある。
烏丸メヰ

烏丸メヰ