【第67回ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞 脚本賞・主演男優賞受賞】
つい昨日観た『ボローニャの夕暮れ』の主演シルヴィオ・オルランドがDDD賞で主演男優賞を受賞した作品。
オルランドは刑務所内のボス的…
トニ・セルヴィッロとシルヴィオ・オルランドというベテランスター俳優の起用もあり、舞台も刑務所という独特な設定で重厚感があったが、そこに存在している、暮らしている人たちの日常を描くコスタンツォ監督独特…
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イタリア映画祭2022にて。
閉鎖が決定した刑務所。手違いで囚人12人と刑務官15人だけ居残る事態になり、食事や娯楽含め、運営がままならない状況に囚人の不満が募り緊張が走る…。
刑務官と囚人。相…
繰り返し響いてくるガチャーンガチャーンという刑務所内の扉の開け閉めの音が耳に残った。
包丁がたくさん並んでいる棚から包丁を選ばせるシーンや停電で机を1か所に出して食事するシーンでは何か起きるのでは…
原題は「Ariaferma(閉じられた空気)」
①囚人が刑務所という閉じられた空間にいる
②この刑務所から移動(移送)もできない
という、
見捨てられた2種類の意味があるように感じる。
本作の…
犯罪は原罪の社会的噴出で、法が有効なのは犯罪の範囲までだ。原罪に対抗できるのは法や規律ではない。
美味しい食事のために規律を破る。ワインがなくても水で乾杯する。自分以外の誰かのために祈る行為。原罪に…
心理劇としての緊張感で張り詰めているので展開としてはシンプル。パノプティコンも内側にいる看守の視点にこちらが立たされるという意味で効果はある。事前知識として邦題通りなガルジューロの内面の隔たりの消滅…
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