ジョー

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのジョーのレビュー・感想・評価

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エブリウェア配慮ムービー

多様性の時代に素晴らしいとされる「自分だけの性的嗜好」「自分だけの目標」「自分だけの生き方」が詰め込まれていて、この映画を面白くないと評すれば前時代的で古い価値観の人間ということになりますよねと言われているような気分になってしまった。

以前どこかでみた話を思い出す。
母「ランドセル、自分の好きな色を選んでいいのよ」
娘「ピンクにしようかな」
母「女の子だからってピンクにしなくてもいいのよ?本当に好きな色はどれ?」
娘「・・・じゃあ別な色にしようかな」
笑顔の母、寂しそうな娘。
ピンクが可愛いと思う心を”凝り固まった常識のレールの上を歩かされている”と思ってしまう多様性のかけらもない母の不要な配慮に嫌気が差した。

銀幕スターの容姿に憧れ、魅力的な異性との出会いを心待ちにする心もなんら古くない、現代の多様性の中に入れても良いのではないかと思う。

男性を必要としない強い女性、同性愛者、黒人メインキャスト、
これらの人たちが何らかの不利を被るのは勿論良くないが、枠を設けて入れ込み、評価の点数として見るものまた差別に感じてしまう。

純粋にエンタメとして楽しみたかったが余計な感情が邪魔をする。
終盤、家族愛を語る頃にはもう興味がなくなってしまった。

アカデミーで編集賞を取っているだけあって、日常VFXはここまで来たかと思わせる、そこは心を動かされた。
ジョー

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