エイプリル

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画にしかできない表現とストーリーで、多くの受賞をしたのも納得の映画でした。こんな映画初めて見ました。
調べたら作った人たち、スイスアーミーマンの人たちなんですね。どうりで…という感じです。

わかってみればどうってことはないんですが、見始めた時は独特のマルチバースの表現を行なっており、設定を咀嚼するまでに結構時間がかかってしまいました。
でも「日頃行わないような変なことをする」ことが異世界の自分のスキルを使う条件になってることが分かると、そこからは相当面白いです。斬新な設定かつ映像的にも面白くなるので、この設定よく考えたな…って思いました。紙で手を切ったり急に歌い出したり、映像のまあまあ全てがそれなりに気色悪い感じなのもついつい画面から目を離せなくなりました。
このややこしい設定を見やすく作ることができるの、尊敬しました。相当勇気いる撮影だっただろうな。

単なるバトルアクションで終わらず、後半になるほど主人公の個人的な話に展開して、そういう意味でも現代SF的です。
親離れ・子離れの話、「目の前にあることを対処しよう」という普遍的なテーマを大きなスケールで括ってるんですが、親子の抱擁とビッグバンをオーバーラップさせるという映像がそもそも映画にしかできない表現で、とにかく映像的な感動が後半はめちゃくちゃ多くて良かったです。

映像もすごい、発想も凄すぎる、ただ哲学に寄り過ぎててストーリーはちょっとどうかな…って感じもありましたが、非常に稀有な映画体験でした。
好き嫌いはかなり分かれそうなんですが、自分は完全に見て良かったと自信を持って言えます。おすすめです。
エイプリル

エイプリル