Horace

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのHoraceのレビュー・感想・評価

4.5
91点

ヒーロー達が平行世界を自在に行き来するようになった今日この頃、家庭は問題だらけで何一つ取り柄のない中国系アメリカ人のおばちゃんが全宇宙を股にかけて頑張るお話

主人公の生活の半径5メートル内のいざこざや軋轢がそのまま世界の命運とリンクするのは所謂セカイ系と呼ばれる作劇文法によるものだが、これはその理論とイマジネーションの有り余る拡張ぶり、そのぶっ飛ばしぶりがとにかく凄まじい。

SFだったりアクションの要素なくしてはここまで感動できる作品ではなかったはず。ハチャメチャでありえないようなシーンがひっきりなしに展開されるからこそ、混沌としたこの世界やら人間の複雑さが表現されている気がします。

少なくとも、こんなに長いこと泣かされ続ける映画は初めてかもしれません。久々にこの映画に出会えて良かったと思えた作品でした。
Horace

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