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すずめの戸締まりのakihiko810のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.8
新海誠監督。金ローの録画。

九州で暮らす17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、扉を探しているという旅の青年・宗像草太と出会う。彼の後を追って山中の廃墟にたどり着いたすずめは、そこだけ崩壊から取り残されたかのようにたたずむ古びた扉を見つけ、引き寄せられるようにその扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で次々と扉が開き始める。扉の向こう側からは災い(震災)がやって来るため、すずめは扉を閉める「戸締りの旅」に出ることに…。

新海誠の集大成ともいえる作品だった。本作はロードムービーとなったことで、作品のエンタメ度が抜群に上がっていた。面白さだけなら、前2作を上回っていると思う。
あえて要石の猫「ダイジン」の正体を明かさないことなど、観客に謎を丸投げしている部分もあるので、そこが「わかりづらい」という評価につながるのかもしれない。

前2作で自然災害を描いてきた新海が、本作では「実際の震災」を作品で描こうとしたというチャレンジ性も見逃してはならないと思う。より「あなたの物語なのだ」という作品の強度が増したと思う。

それにしても、「呪いで椅子になってしまった草太と旅する」なんて、よくこんなアイデアを思い付いたものだ、と感心する。新海のアイデアノートを一度読んでみたいものだ。次回作ももちろん期待大。
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