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魂のまなざしのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

魂のまなざし(2020年製作の映画)
3.5
北欧フィンランドの国民的画家シャルフベック(1862-1946)。
彼女の1915年から1923年(50代)に焦点をあて、絵を崇拝する19歳年下の青年と織り成す恋の行方を描いた伝記ドラマ。
監督はアンティ・ヨキネン。
原作はラーケル・リエフ。
撮影はラウノ・ロンカイネン。
音楽はキルカ・サイニョ。
原題:Helene (2020)

1915年、ヘレン・シャルフベック(ラウラ・ビルン)は、"忘れられた"画家として、フィンランドの田舎で高齢の母親オルガ(ピルッコ・サイシオ)とともに静かに暮らしていた。
そこに、画商ヨースタ・ステンマン(ヤルッコ・ラフティ)がやってきて、家に眠る159点の素晴らしい作品を発見し、個展開催へ向けて動き出す。
そして、何よりヘレンの人生をその後大きく左右することになったのは、画商と一緒にやってきた彼女の絵の崇拝者(森林保護官でアマチュア画家)、自分より19歳年下のエイナル・ロイター(ヨハンネス・ホロパイネン)との出会いだった。
ヘレンはエイナルに恋心を募らせていくが…。

~他の登場人物~
・親友ヘレナ・ヴェスターマルク(クリスタ・コソネン)
・兄マグナス(エーロ・マッティ・アホ)
・エイナルの婚約者テューラ・アルピ(サーナ・コイヴィスト)

「あの瞬間だけ、あなたは私のものだった。あなたは悲しそうでも私には最上の幸せ。私が得られた布越しの愛の感触さえも薄れつつある」

「夢は時と手を取り合って少しずつ逃げていく。やがて地平線へ消えていく。そして忘れる。生涯をかけてつかもうとしていたものを。すべてが去った後に残るのは白紙。そこには恍惚がある」

"数週間のタンミサーリへの旅行"
"ガウスダルの丘"
"布越しの愛"
"愛"と"苦悩"と"友情"
"1,100通を越える手紙"

美しいカメラの映像、
バックに流れるピアノや弦の落ち着いた旋律、
そして、何よりシャルフベック役のラウラ・ビルンの凛とした演技。
さらに、情緒に流れない押さえた演出がよい。
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