風来坊

TAR/ターの風来坊のネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

喋り方や態度は常に人を見下していて権力を持ち、人の痛みも分からず本当にイヤな女性だと思わせるケイト・ブランシェットさんの演技が圧巻でそれに尽きる作品。
監督は脚本の執筆段階から彼女を想定していたらしく、それが叶わなければお蔵入りさせる事も考えていたほどだったらしいですがそれは正解でしたね。

男言葉で自信満々で話す長い冒頭で彼女の人となりが分かる演出は見事だと思う。
ほとんどが会話で構成されているので、流石に2時間半は長くて集中力が持ちません…。
当然の如くクラシック音楽に関する会話が多いので、クラシック音楽に造形があるともっと楽しめるのだろうと思います。

どうしたって因果応報な気がするので主人公に肩入れは出来ないので、感情が動く事はないのですがやはり熱演に魅了される作品。
ラストについては権力からズリ堕ちた哀れな女性と見るか権力とエゴから解放されて、純粋に音楽と向き合えるようになったと思うかはそれぞれ違うところだと思います。
風来坊

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