三鷹

TAR/ターの三鷹のネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前情報全くなしで観始める。ああ、これはもしかして実在する人物の話なのか?と思ったら違うんですね。それにしてはまだ話には入り込めない時点というのに冒頭の二人の対談が地味に長い(笑)
こりゃ結構クセのある作品かなと身構えはしたが、リディアの気性、音楽に対する姿勢、全てがとてもじゃないが「それでも愛すべき人間」として描かれない事に寧ろ面白さをおぼえてちょっと不親切な作りの展開を楽しんだ。いや、楽しんではいなかったな。

リディアが転落していくきっかけとなったクリスタの存在も『クリスタが死んだ』というシーンで「え?クリスタって誰だっけ?」って慌ててこの時点で最初に戻り、早回しで探してしまった。何せこの辺りにはちょっとうつらうつらしていたものだから「イカン、話を見失ってる!」と焦った。結局後出しのような話の流れでクリスタの存在も明かされたものの、ホントひと癖もふた癖もある作品だった。(巻き戻して観たあの時間返してほしいわ笑)

そのクセの強い話の流れはラストに繋がっていくのだけれど、ワタシとしてはその終わりかたでエエの?という感想だった。直前までリディア視点で進んでいた話がここにきて『この時の彼女の心理状態を推理せよ』みたいな結末でジ・エンドなんてまんまと梯子を外されましたわ。

レズビアンの彼女の立ち振る舞いとケイトの男前な容姿で十分魅力的ではあったのにリディアのセリフの字幕をわざわざ男性口調にしたのは勘弁してほしかった。
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