Nyayoi

氷がすべてを隔ててものNyayoiのレビュー・感想・評価

氷がすべてを隔てても(2022年製作の映画)
3.6
800日越えの極寒の地での日々。ダイジェスト的なのも仕方がないが、アイナー・ミケルセン隊長と若いアイバー隊員の北極探検の実話は結構ずしりときて満足。

待っているはずの船はいない。残されていた小屋で待つことはできたが、往復640kmを踏破して残してきた記録をとりに行く、など正気の沙汰とは思えなかった。でもそれが探検家なのだ。その間に救助隊!?なんでメモ残して行かなかったんだ!!

なぜこんなことをするのだろう、1909年の話、こうやって探検する人々がいたからわかってきたことが多々ある。落とした命も数知れずだ。

犬は強いなあと思っていたけど、やっぱり途中で絶命だ。
仕方がない。シロクマは恐怖だった。飢えと見えない希望の中で、精神も壊れていきそうになる。
865日って尋常ではない。。使命だけではないものがある。相棒が経験の浅いアイバー、でも彼のメカニックとしての知恵と冷静さがなかったら生還できなかっただろう。

仲間たちのデンマーク政府とのやりとり、多くを語らなくてもどれだか救助のために頑張ったのか伝わる。

「未知の土地を発見した確たる証拠を届けなければ全てが無駄になる」
厳しい言葉だが、これを肝に銘じていたからこそケルンまでの往復があったのだと納得。
デンマークの英雄、グリーンランドの探検の歴史、様々なことに関心を持てた作品。
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