ろく

パンダフルライフのろくのレビュー・感想・評価

パンダフルライフ(2008年製作の映画)
3.2
これは人間が自然に対ししでかしたことへの「償い」だ。

パンダという希少種を目にして我々は今まで、自然に対し何をしていたかをこの映画は教えてくれるだろう。そう、自己の生存ため、あるいは自己の快楽のために何をしたか、それをこの映画はパンダを狂言回しとして教えてくれるんだ。

ああ、でもパンダがかわいくてそんなことかんがえられなーい。もふもふもふもふ。ああ、ああ、ああ。このパンダの中で僕も寝たい、そしていっしょに笹をかじりたい。もふもふもふもふ。さらにはいっしょに木にのぼりたーい。

失礼。ただしこの映画は希少種を保持するだけでなく、その保持と経済のアンヴィヴァレントな世界も見せてくれる。パンダをあくまで「経済」の道具、さらには政治の道具として中国は執拗に誇示していなかったか。パワーバランスをこの映画で感得しない者はいないだろう。畢竟、この映画の中のパンダの兄弟はその犠牲者と言えなくもないではないか。

ああ、でもそんなむずかしいこと考えないでもふもふしたーい。もうこの映画でパンダの赤ちゃんが5匹ならんで笹食べているシーンがあるんだけど、そのかわいいことっていったらないの。もう一生そのシーンだけでいいじゃんってかんじられるほどおふもふもふもふ。ああ、かわいすぎて死ねる~。

失礼。パンダという希少種を人間が保護すると言いながらそれを経済に使うという矛盾。だからこそこの映画に出てくるパンダは時に子供を奪われ、さらには想像妊娠までしてしまう。狭い檻で暮らすパンダは幸せなのだろうか。檻の中で暮らす彼らは恰も見世物小屋に入れられてしまった大正の少女のような感じさえ受けてしまう。

ああ、でもそれでもかわいいんだもーん。終わりなんかパンダが階段を下りるだけでかわいくてしかたないの。もふもふもふもふ。ああ、あんてかわいいんだ、パンダ。それだけでいいんだよ、この映画。かわいいは正義だよ。可愛ければいいんだよ。

すいません、途中で理屈なんか考えられなくなりました。バカになったんですか?ええ、バカになりましたよ。可愛いは正義(©道重)。でもちょっとは持続可能も絶滅種の事も考えなければいけないんですよ。

でももふもふもふもふもふもふもふもふ…………
ろく

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