シミステツ

(ハル)のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

(ハル)(1996年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

インターネット黎明期の恋の話。
この頃のチャットや電子メールなつかしい。
アメフトで肩を壊し居場所をなくしていたハルと恋人を亡くしてから恋愛を拒んできたほし。

ほしはチャットでは男を装っていた。
一方、彼女と別れてから完全に出会い系、性に奔放のローズ(しかもかわいい)と逢瀬を重ねるハル。ほしは過去に縛られている男からのプロポーズを受ける。

何にもない日常を話し合ったり、コンテンツに溢れていない黎明期ならではのコミュニケーションという感じがして良い。

新幹線に乗るハル。ハンディカムを持ちながらハンカチを振りあうふたりのシーンはソニーの壮大なコマーシャル感もあるけどとてもよい。

うわーほしとローズ姉妹だったんだ…という。しばらくほしからの連絡がこなくなるハル。ほしにとって少しずつ積み重ねていたことがローズには一瞬でできるんだっていう何か劣等感みたいなものを感じるのは分かるかもな。ほしにとってのハルは亡くした恋人の「春間次郎」を予感させるものだったと。

この頃の初めて会う時にお互いの目印を持つというのがなんともエモい。

深津絵里も戸田菜穂も綺麗だし、当時の時代感や細やかな情緒を感じる作品でした。いまの時代はどこか大味というか品がない出会いをしているよなあなどと。

「☆や星になりきれない(ほし)ね」