ヒノモト

胸騒ぎのヒノモトのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
2.6
旅行先で意気投合したデンマーク人の家族とオランダ人の家族。オランダ人の家に招待を受けて泊まることになるが、そこで起きる家族の違和感から、恐怖体験へと発展するお話。

北欧発のヒューマンホラーという触れ込みでしたが、ホラーという文脈になっていないために、終盤の唐突な後味の悪さのみが残り、ストーリーテリングとしての面白みには欠ける作品になっていました。

ホラー映画としての観客側の期待値を裏切り続けるように、決定的な異変や事象が起きないまま続く中盤までの退屈さがあり、逃げられる状況なのに居座り続ける主人公側の家族の不自然さ、相手方家族を許容しようとするがあまり、無抵抗すぎて、むごい仕打ちをそのまま受け止めてしまう家族(夫婦)の姿を「恐怖」として受け止めるには隙がありすぎるし、「残酷」と受け止めるには、加害側の夫婦の行動原理が見えにくく、全てがうやむやのまま終わってしまう感じで、捉えどころが難しかったです。

終盤の残酷さを生かすとすれば、それまでの前段階で主人公家族をもっと危機的状況に追い込む設定にすべきですし、もっと加速度的に加害側家族の違和感や不気味さを知らしめる演出を適度に入れ込まないと、受け入れられないと思いました。
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