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カリガリ博士のEyesworthのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
4.6
【博士の異常な研究】

ワイマール憲法でお馴染みの1919年のドイツでロベルト・ウイーネ監督の指揮で、制作・公開された革新的なドイツ表現主義映画の代表的な無声映画。現代ホラーの原点とも言えるアイデアに満ちた作風である。


〈あらすじ〉
北ドイツ、カリガリ博士(クラウス)は眠り男ツェザーレの予言を看板にした見世物をカーニバルに出している。友人アランを連れ、その小屋を覗いたフランシス。友人は調子にのって自分がいつまで生きられるかを眠り男に尋ねるが、答えは明日の朝まで!。本当に彼は翌日には殺されており、フランシスは疑惑究明に乗り出すが......。

〈所感〉
同じ日に見た『マッシブ・タレント』を見なかったら、この映画を見ることは一生無かったと思う。この出会いをくれたニコラス・ケイジには感謝してもしきれない。ネタバレ厳禁だが、オチは今で言う大どんでん返し、、と言っている時点でまぁまぁのネタバレなのだが…。とにかく驚きの連続なので、私のような古い映画だし…と見下している方にこそ見ていただきたい。無声映画なのでしっかりとストーリーについて行くのが大変に感じたが、個性の際立ったキャラクターが多く登場し、声が聞こえなくもとある程度情報を読み取れるのがすごい。そしてカリガリ博士の狂気、ツェザーレの不気味さ、そして幻想的な作り物のセットが、ホラーとして完璧な演出であり、今のホラー映画の原型になり、数多くの監督・俳優に影響を与えたのも納得だ。
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