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二つの光のnt708のネタバレレビュー・内容・結末

二つの光(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

短編映画の面白さがぎゅっと詰まった良作。「見える」という私にとって当たり前になってしまっている感覚。それを持たないゆえに得られるもの・失われるものをリアルに、一方で優しく描いている作品であるように感じた。

ふたりの距離が少しずつ縮まっていく様子が何とも微笑ましい。彼女が手をとったのがふたりの出会いのきっかけとなり、最後に彼が手をとったことでふたりの想いが伝わった。このような台詞を必要としない描写によってふたりの関係性の変化を表現するのは、本作の醍醐味であり、映画の醍醐味でもある。

「見えない」ということを憐みの対象として描くのではなく、見える人と同じように日々良いことも、悪いこともあるひとりの人間として描いているところに好感を覚えた。Filmarks600本目を観ると決めた今日、早朝から良い作品と出会えた。
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