片腕マシンボーイ

山歌の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

山歌(2022年製作の映画)
3.9
もちろん渋川お兄やん目当てに内容も知らんと観に行ったば……マシンボーイ好みのド田舎……ってかド山林映画でマシンボーイ歓喜!やったー!

中学に馴染めず祖母の住む田舎にやってきた中坊、ある日住居も無く山の中に住む山窩の家族と出会ったぞ!村人達に嫌われ恐れられる山窩達と孤独な少年はしだいに仲良くなるが……、って話

ロックは死んだなんて言葉はもう何十年も前から繰り返し言われてきていると思うが、ロックミュージックに関していえばここ数年で確実に息の根止められた感があるよね、サブスクの台頭によりどれだけ聴かれてもバンドやアーティストに渡る金は微々たるもの、コロナ禍でライブも激減、これからが期待された若手バンドのチャンスはことごとく潰され、残るのは若者にバズる耳残りの良いキャッチーなポップソングのみ
だからこそ音楽に限らず、強い意志!想いを貫く!使い古され死語と化したロック魂なんて言葉を感じる作品に出会うとマシンボーイは否応なしにキュンしてしまうのであります!
本作はそういう意味では間違い無くロックムービー……いやロカビリームービーでして!マシンボーイの無い胸鷲掴みにして揉みしだいたのであります!やったー!

そうね、本作の主人公は中学生の男の子ノリオ、どう見ても高校生以上にしか見えんわぁ……思っていたらば役者さんはやっぱり今年で19歳、まぁ些細な問題よ、スルーしましょ
学校ではいじめられ、家では厳格な父親に怒られてばかり、自分に自信の無いノリオは東京の家から祖母の住むド田舎に逃げてくる、そんなノリオくんが、たまたま出会った山窩の家族と出会い、その強い生き方に惹かれていくのです

そもそも山窩とは……家を持たず、季節に応じて山々を移り住む流浪の民、かつては日本中に多くの山窩がいたそうです、本作の舞台はその山窩が生存した最後の時代、まさに絶滅危惧種なのであります!
本作の山窩の家族を演じるのは、お父さん役は我らが渋川清彦お兄やん!やんややんや!家族を守る頼もしくて優しいお父さんで最高です!マシンボーイもお兄やんに手取り足取り釣りを教えて欲しくてドキドキしたぞぉ!お兄やんの手料理の蛇の丸焼き食ってみてぇぞぉ!ぺろぺろ
その娘ハナちゃんは知らん子ながらめちゃ存在感あったし、力強い瞳が印象的、雨の中踊る姿の美しさには惚れ惚れしたよね!あれ……あの恐ろしき糞ホラー「未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺」に出ているってことはAKBの子なんかな?
そしてばあちゃんがまた知らんばあちゃんながら素晴らしきばあちゃんでね!はじめてお兄やんに連れられて住処にやってきたノリオくんを心胆寒からしめる食人鬼ギャグは最高過ぎてゲラゲラしたよね!ひゃー!

街での生活に中坊にして疲れきったノリオくんが、この村の人々にはルンペンと蔑まれ恐がられる3人と仲良くなり山での生活を楽しむことによって、少しづつ明るさを、人らしい優しさを取り戻していくのであります!
しかし!忘れてはならないノリオくんは受験生、父親はゴリゴリ教育パパであり、山窩なんか人に在らず!な差別主義者、そのうえ……その山を削ってゴルフ場つくったるけん!っつ〜超自然破壊的街の人なのであります!
さぁさ!優しい山窩ファミリーと恐ろしい父親の板挟みに悶えるノリオくん、そしてその時ノリオくんの胸に灯った熱い想いとは!

いや〜、まぢノリオくんの急成長には悶えたし、お兄やんが家族を守る為に悔しい思いをグッとおさぇ……ひとり爆発させる姿には涙したし、ハナちゃんのツンデレっぷりの可愛らしさよ……、あ!時おり映るリスや鳥さん達もキュートやったねぇ
そしてよく知らぬ山窩なる学校では習わない日本の民族に想いを馳せるまぢ素晴らしきロカビリー邦画!最高!
なぁなぁ、これは続編できへんのんかね?単なる青春ラブコメになりそうな気もするがそれはそれで観たいぞぉ、ぺろぺろ

はぁ……マシンボーイも映画と音楽だけは残してあとは山で暮らしたい、でも辛いのは嫌、楽して山で暮らしたい、ぺろぺろ