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ナショナル・シアター・ライブ 2022 ストレイト・ライン・クレイジーのlololoのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

性格悪いし傲慢だけど、自分の目的を無理矢理にでも実現しようとする行動力はあるモーゼス。時が流れてからの価値観が古くなっても、「強引に進めるリーダーが必要」と言われる時代そのものが何より皮肉。
第一幕のモーゼスと市長のやり取り、部下としてその場にはいたくないけど、名優同士の演技バトルとしては楽しめた。観客から拍手が出たのも納得。(片や映画館では隣の人がいびきかいて寝てたので、生で観るにはいいけど映画館で観るには地味な場面が続くって感じなんだろうなと思った。)
モーゼス、部下が車椅子で出社した時に言ったのが「ドアを広げなきゃ」だったの、“弁論が得意でコミュニケーションが下手”の極みでうわあ…となった。その前に心配する言葉を一言でもかけていたら違ってただろうけど、そういう言葉を知らなかったんだろうな。

サミュエル・バーネットが久々に見られて嬉しかった。彼の、優しそうだけどちょっと気に食わない感じもする…という登場人物の絶妙な演技はほんと良い。

記者であるジェインによるタイトル回収なんかよかった。さらっとセリフの中にタイトルが出てくるの好きですね。

脚本のデヴィッド・ヘアは『スカイライト』も担当してるとかで、あちらも“白人の富裕層の男性の嫌な感じ”がリアルに表現されてたし、“閉鎖的な空間での会話劇”だったし、こういうのが上手い人なんだろうな…。
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