叡福寺清子

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.0
やっと観ました.私が生誕する3日前に公開された本作.たぶん45年くらい前に一度視聴しているはずなのですが,忘れています.だって大蛸の登場シーンに驚いたんですもの.残り4分,それまで存在を1ミリも仄めかしていなかったんですよ.正直エッってなりました.もっともフランケン少年とバラゴンとの戦闘は残り17分から.ただし,これに関しては(言葉は悪いですが)怪獣プロレス,それも片一方はただのデカイ人ですから本当に肉弾戦,しかも山中なので破壊のカタルシスも乏しく,複数回や長時間の対決は無理ゲーでございますから,編集作業としては正解だと存じます,
その対決が始まるまでは延々,フランケン少年の取り扱いに苦慮する人類を描きます.ドイツで研究されたフランケンの肉体が,なんの因果か原爆投下直前の広島に搬送されるなんて,東宝特撮の血脈からすればかなりの頓智じゃないかしら.
その後日々巨大化するフランケン少年に対して保護を主張する人や,一部肉体だけを採取しその後少年の滅殺を主張するなど,いかにも研究対象に対する言葉遣いで,今観るとヒヤヒヤさせられます.
もっとも,今の浪花節全盛邦画界よかよほど醒めた脚本ですので,そりゃ面白いってなりますわな.なお,マスコミのいい加減さってのは55年間変わらないのですねぇ.