お茶碗

哭悲/The Sadnessのお茶碗のネタバレレビュー・内容・結末

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

負けたよ…負けた……。名作です。


性悪。最悪。地獄の佃煮。醜悪。不道徳。
今まで観たホラー映画の中で確かにトップクラスで酷い映画。

ホラー映画ばかり観てるものだから、悲劇もゴアも好きではないにしろ、それなりに耐性はあるけど、それでもなおキツかった。観てる間ずっと疲れてた。

普段B級ホラーを愛してる理由には一種の“ゆるさ”なんだけど、一切ない。そりゃ血が出過ぎ!みたいなゴアホラーあるあるのやりすぎギャグはあるけれど、全ての展開に容赦がないし、救いがないからかなり疲れる。「掃除しながら観よー」っと思ってたのに1秒も隙がない。最悪に最悪の展開が更新されていくから目を離せない。天才の所業だった。


実際、ただ悪趣味ってだけじゃなくて忘れられないシーンが結構たくさんある。電車の中で酷い目に遭ったけど、恍惚な顔で立ってる女の人の絵とか……郵便受けから下ペロペロとか……妙に魅せる絵をいくつも出してくるのも難しい。低俗ゴアホラーって括りに入れられたら気軽な距離感で楽しめるのに、ちゃんと要所要所で素晴らしい映画としても存在感放ってて困った。

たとえば、誰がどこで感染したかとかの伏線も全部妙に丁寧だし…。悲劇が起こる時、そこに至るまでの道のりに少しずつヒントが散りばめられているのも職人技だった。作るのは大変だったろうな……。ホラーの醍醐味、地下鉄のセットとか病院のセットとかもかなりクオリティ高かったし……。


そんでもってこのエンド。絶望の満漢全席。残虐ビッグチーズバーガー。胃もたれです。直後は3.6評価だったけど、数日経って冷静になって質自体は4.0かなと思い直しました。このあとは犬とかのかわいい動画を観たい。名作だけど向こう10年は観なくていいかも。
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