てつこてつ

告白、あるいは完璧な弁護のてつこてつのレビュー・感想・評価

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)
3.7
スペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」の韓国リメイク版。

オリジナル版はずいぶん前に鑑賞済だが、あちらは重要なキャラクターの特殊メイクor特徴的な顔立ちが気になり過ぎてすぐにオチに気付いてしまったが、本作は、オリジナル版の荒削りな部分を観客に違和感を抱かせないよう丁寧に仕上げた印象。

それどころか、韓国映画らしく、オリジナル版の大オチからさらに二転三転させる終盤の展開もよく出来ている。脚本、監督を務めたユン・ジョンソクの今後の作品には、是非とも注目していきたい。

なんと言っても、ソ・ジソプのちょっとつかみどころがない役どころの作静かで抑えめな演技が秀逸。ベテラン女優のキム・ユンジンを相手に回しても全く遜色ないばかりか、この作品では彼女を超えた存在感。彼がこれまで出演してきた作品群では一番良いかも。

二つのキャラクターをしっかり演じ分けたナナも上手かった。

にしても、同じくスペイン映画「ロスト・ボディ」を韓国リメイクした「死体が消えた夜」とストーリー自体が実に似ているなあと思っていたら、なんと、オリジナル版の二作は同じ監督がメガホン取ってるんだね。

「落下の解剖学」を鑑賞した後だと、なんだか、こういう王道の“エンタメ”要素満載の殺人ミステリーにちょっと安心してしまう。
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