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逆転のトライアングルのkassyのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.6
試写会にて

原題の『Triangle of sadness』とは眉間のこと。しかめっつらをした時に出来る三角形のシワのことである。

それをトライアングルだけ残して改竄した邦題なので謎の邦題になっている。

パルムドールを受賞し本年度アカデミー賞でも作品賞をはじめ3部門ノミネートしている話題作だが、それも納得のとにかく皮肉たっぷりのブラックな風刺作である。

売れないモデルとインフルエンサーのカップルはある日豪華客船の旅にでる。
乗り合いの富裕層達と出会うが、ある日その船は遭難し、、、

資本主義を皮肉った本作。
出てくる富裕層達は成金が多く下品な人達ばかり。そんなやつらを文字通りゲロとクソまみれにしたり、どん底に突き落とす地獄の協奏曲。
監督ったらまー悪趣味ですこと!笑

ただ、そのブラックさ加減が凄まじい手腕。だから2作連続パルムドールを受賞という事を成し遂げるのだな。

無人島に行ってからもだいぶ一悶着あるが、正直ネタバレはほとんど見ないで行った方が楽しめると思う。

無人島の前に金持ちは無力なのか。ぜひお楽しみを。

なお、インフルエンサー役のチャールビ・ディーン・クリークの遺作である。合掌。





【アフタートーク】
極限状態では三大欲求に価値が出る

監督は社会学的、行動的な映画を撮っていきたい

自分の身近にいる人の観察をして、映画に取り入れてる

元々は主人公は中年のハゲてるモデルにする予定だった

監督は男性が男性性に苦しめられる作品を撮っている

なんで謝れないかというと男性性が邪魔してる

払う払わないのエピソードは実際にカンヌで奥さんとやった事(結婚前)

トライアングルをヒエラルキーに見立てて、島に行ったら逆転したという意味の邦題

四角の次は三角という監督のダジャレ

美の価値を食べ物に変えた

人間は美しさに価値はあるけど、それ以外にも惹かれるものがある

インフルエンサーも無人島に行ったら価値がない

カンヌのリュミエールに来るような人はこの映画に出てくるセレブ達だからこの映画を見せたかった

それを持ってこの映画は完成する

アビゲイル役を一緒に探していて樹木希林さんをオススメしていた
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