このレビューはネタバレを含みます
全編に充満する緊迫感とかそれぞれの、刺されるような強いストレスの映画化はとてもハイレベルで刺激を受けたけど、それとは別にしんどくて〝もう一回観たい!〟という映画ではなかった、、
主人公が死ななくてよかった。
大概の女性ジャーナリストものは亡くなってしまうので…。
無邪気な女性蔑視もしんどい。
サイードの人がうまくて怖すぎる。
画面は宗教ベース風の角度だけど、この映画の中で嫌だなって感情や行動をする人たちって、世界中にいるよね。
観客には、サイードが欲求不満から八つ当たり的フェミサイドを働き、やがてただ快楽を求める殺人に走っているように見えるように作られているけれど、
その浅ましい様すら、宗教的解釈をすれば
「売女の成敗の際に無上の悦びを感じられたのは、神がそれをお望みであったから」であり、純粋な信仰の賜物の法悦で、とても神聖なものである。ということになるんだろうなあ。サイード本人からしてそう信じて疑わないんだろうなあ。など、多重に考えられて心が重くなる。
人々の倫理観の撮り方もそんな感じ。