一人旅

ジャバーウォッキー 4Kレストア版の一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
テリー・ギリアム監督作。

英国のコメディ集団「モンティ・パイソン」のメンバーである奇才テリー・ギリアムがキャリア初の単独監督を飾った中世ファンタジーで、コメディアンのマイケル・ペイリンが怪獣騒動に巻き込まれる青年を好演します。

不細工で性格の悪い村娘に恋している純朴な青年:デニス・クーパーは、樽職人の父親の死をきっかけに仕事を求めて村を離れ、獰猛な怪獣の出現によって滅亡の危機に瀕している王国に辿り着くが、怪獣討伐を目論む国王の発案によって怪獣を打倒する最強の騎士を決めるトーナメント戦に巻き込まれたデニスは紆余曲折を経て遂に怪獣と対峙するはめに…という異色の“中世ファンタジー”となっています。

テリー・ギリアムらしい奇怪な登場人物たちの狂騒と共に描かれる中世寓話ファンタジーで、村出身の平凡な青年が怪獣騒動に揺れる王国で繰り広げる奇妙な冒険と皮肉的な行く末を描いています。知能の足りない能天気な国王&妄想気味の王女、自ら足を切断して金銭を乞う老人、怪獣に喰い散らかされた無残な死体、青年が惚れる理由が分からない性悪太っちょ娘、ゴリゴリのおじさん尼さん、終盤になってやっと登場する奇怪&弱そうな鳥怪獣…とアクの強いキャラクターたちの饗宴と奇抜な映像世界にテリー・ギリアムの奇才ぶりが窺えるブラックユーモア満載の中世ファンタジーで、監督のテリー・ギリアム自身も端役で顔を見せています。
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