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こいつで、今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.3
ドクター・ディメントのラジオ番組が大好きな少年アル(ダニエル・ラドクリフ)の趣味は、替え歌作り。
母親がセールスマンから買ったアコーディオンを与えられたアルはその演奏に夢中になり、ミュージシャンになろうと決心。
高校卒業後、親元を離れたアルはバンド仲間を見つけられず、ソロ活動をせざるを得ないが、ザ・ナックの「マイ・シャローナ」の替え歌「マイ・ボロニア(ボローニャ)」がラジオで大ウケしたことを機にプロ歌手の道を歩み始める。
パロディ歌手の第一人者として知られるウィアード・アル・ヤンコビック。
マイケル・ジャクソンの「今夜もビート・イット(Beat It)」を「今夜もイート・イット(Eat It)」、としてパロディにし、ミュージックビデオまでそっくりな物を発表。
マイケルの曲ではほかにも「BAD」を「FAT」としてパロディ曲にするなどで才能を発揮し、マイケル自身も彼の才能を認めている。
映画では、多くのエピソードが創作・誇張され、脚本に参加したヤンコビックらしい遊び心が溢れた作品に。
とはいえ替え歌の数々はヤンコビックが実際に歌ってきたものであり、ダニエル・ラドクリフがヤンコビック役をコミカルに激演! 
トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞受賞など数々の映画賞にて総ノミネート55部門、うち15部門で受賞。
厳格な父親にアーティストとして音楽作りに生きることを反対されても、持ち前のオリジナルの曲の歌詞をユーモラスにアレンジした替え歌を作る才能で数々の替え歌を歌ってスターになったアル・ヤンコビックの波瀾万丈の人生を、クイーンのフレディ・マーキュリーの人生を映画化した「ボヘミアン・ラプソディ」やエルビス・プレスリーの人生を映画化した「エルビス」のような伝記ミュージカル映画のテンプレのようなドラマチックなスタイルで描いているのがいちいちツボに入っていて、アル・ヤンコビックがザ・ナックの「マイ・シャローナ」を元にした最初の替え歌「マイ・ボローニャ」の歌詞を思いつくシーン、業界のパーティーでクイーンのベーシストのジョン・ディーコンに「Another One Bites the Dust」の替え歌をその場で即興にて作れと喧嘩を売られ「Another One Rides the Bus」を即興で作るシーンなど、歌詞のアホ面白い内容や面白い状況とドラマチックな描き方のギャップがいちいちツボに入って面白い。
マイケル・ジャクソンの「今夜もビート・イット(Beat It)」を「今夜もイート・イット(Eat It)」、としてパロディにしてヒットさせたくだりのエピソードなどの誇張、アル・ヤンコビックとマドンナの関係の創作エピソードなど、ウソと分かっていても乗っかって信じたくなる面白みがある。
ダニエル・ラドクリフのなりきりぶりもいいし、ライブシーンの迫力もいいし、アル・ヤンコビックのパロディソングを知らない人にもおススメの伝記ミュージカルコメディ映画。
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