ミセスコロンボ

窓辺にてのミセスコロンボのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.0
浮気されたのに怒りのわかないことがショックな男に稲垣吾郎さん。
冷血でもない、内面を深く考えている良識ある男。
一作だけ出した小説。でもその後一切書いていない、書けない男。今はフリーライター。
で、妻で編集者で若い作家と不倫している女に中村ゆりさん。 

友達夫婦もこっちは旦那が不倫。
それと17歳の才能ある作家の女の子の恋愛模様も絡ませて描かれている。こっちは微笑ましい。金髪の彼氏単純、いや素直でおバカぶりがめっちゃ可愛い!和みます。

会話がとにかく私には響く。
パフェの意味はパーフェクトなお菓子とか、
マックスでも焼き肉とか、楽しくて好き。
今泉監督、流石です。

「今日どう生きたかをせめて夜に反省したり
考えたり何か美味しいものを食べたり沈んでいく夕陽をみたり…そういうことができない生活が無理でした。」という少女の伯父の言葉。
「やめるってことは何かを手にすること。」って続く。
そして手渡した何でもない小石。これも良い!!
丸くなるまでの時間を想像する。
「無駄を大切に。」とも。

愛することについて考察しました。
いやぁ~答えは無いです。
心はうつろぐし、理由は後づけされるし…
でもとにかく窓辺で射し込む光を少し浴びて静かに読書できるって事は幸せです。
その時間のある人は少なくとも人に優しくなれる気がします。