【虚実の境目】
評判は聞いていました。
難解、と言うよりも訳がわからない映画だと。ですが、そう聞いただけではホラー好きとして引き下がれません。元よりこの覚悟で御座います。
「現地現物(実際に見て確かめろ)」
二人の女優。
「ある創作劇」に、彼女ら自身の内面を重ね合わせたホラー作品。
手掛けたのは、Jホラーの脚本家といえば真っ先に名前が上がる人物。それが
監督:高橋 洋
脚本:高橋 洋
あらすじ
劇作家兼女優のナオミは「借りた別荘」で、かつて夫を略奪した女優ミズキを呼び寄せ、芝居の稽古を始める。題材はTV番組で昔見た「母親が消えた事件」。ミズキは娘の役を演じるにつれ、事件が起きたのはこの屋敷ではないかと疑い始める。
なるほど。「ミソジニー(女性嫌悪)」ね。それがどう物語に関わってくるのか。
ー視聴開始ー
<序盤>
おー、結構良い雰囲気だ。霊的ムードマシマシ。冒頭とタイトルの出し方もそそられるし、ジメジメとした日本のホラーを想起させる。もう期待しかない。
<中盤>
経過報告です。
どんどん置いていかれています。私の認知力と理解力は早くも周回遅れとなっております。ボクは負けません。諦めてなるものか。
<後半>
大
爆
笑
いやいやいやいや、物語や意図を伝える気はあるのですか!何なのですか!最初は良い感じだったのに何が起きたのですか!
シュール過ぎませんか!?後半笑かしに来てませんか!?もしかして笑ったのは私だけなのですか!?
理屈で語れる作品しか許容出来ない人には
“地獄"みたいな映画。
私はフィーリング派。どんな世界観でも美味しく頂ける、そう思っていた。ハハ、説明し過ぎる作品は苦手なんだよねーと調子にも乗っていた。
♡ただのザコだった♡
お願い説明して。
同監督作の「霊的ボリシェヴィキ」でも、それは如実に表れていたが、今作も商業映画とは対局にあるフリーダムかつ高橋節全開。
台詞回しも抑揚もまさに舞台のようで、現実と劇と劇中劇の境目があやふやになる不思議な感覚。加えて、辻褄が合わない夢を見ているような気分にもなっていく。
役なのか憑依なのか自身なのか
その「創作劇」に乗じてお互いの嫌悪感をぶつけ合うという、物語的には面白くなりそうな「大枠」は用意されているものの、視聴者に委ねる範囲が広すぎ、且つ、その隙間にドュルンドュルン自己思想の要素を流入して溢れ出している。んもうタプンタプン。
えー、要約致しますと
これがー!
わたしのー
私たちのー
ミソジニーだあーッ!
【終劇】