試写会にて
高山真さんの自伝的作品を映画化
ブランド物に身を固めて東京を生きる主人公浩輔は、ある日自然体で美しい青年龍太と出会う。
龍太と思いを通わせていくが、ある日龍太の秘密を打ち明けられ…
本作はゲイの2人を描いた作品であり、愛と献身を描いた作品である。
タイトルはエゴイストであるが
本作を見終えると、
エゴとは、愛とは
改めて考えさせられる。
自分が失った物、出来なかった事を埋めていくかのように自分の欲を押し付けている様は確かにエゴである。
ただそのエゴは、誰かを救う事かもしれなくて、そして自分も救われている。
エゴイストってこんな使い方をする事もできるんだ、と新しい視点をくれる作品だった
浩輔を生きる鈴木亮平は浩輔でしかなく、素晴らしかった。
服も、眉毛も、彼を守る鎧。
何故だか、迷いながら眉毛を描くシーンがすごく印象に残っている。
服はモノローグで語られてとてもわかりやすいが、眉毛もそうだよな…ととても納得した。
眉毛がちゃんと描けなければ一日テンション下がるし早く帰りたい。それだけ眉毛は重要なパーツである。
そんな心の機微を描いたあのシーンが私はすごく好きだ。
あのシーンについては人によって感じ方が違うかも知れない。
阿川佐和子さんと鈴木亮平さんの関係性がこの映画の非常に重要な肝だが、ネタバレせずにこの素晴らしさを書くのはなかなか難しい。
救い、救われ、生きていく人間の姿をぜひ。
一つ不満を言うならば、パーソナルトレーナーのくせに身体がペラペラで細すぎたので残念だった。
【アフタートーク】
登壇者:松永大司監督、LiLiCo(敬称略)
スタッフへのリファレンスは君の名前で僕を呼んで
主人公の部屋の窓が大きいので自然光にこだわった
プロデューサーが原作者を大好き
書き上げる前に映画化すると決めていた
プロデューサーがキャスティングを決めた
鈴木亮平さんと付き合い長い監督
素が自然体で優しいのでドキュメンタリータッチになった
基本長回し
台本はあるけど自然にやっていい
説明台詞は言わないというルール
監督がやりすぎを嫌うので、違和感があるとカットをかける。役者も理解していった
ミニマムにするとはみ出て表現されるものがある
仕草などで匂う
鈴木亮平には絶対渡せと言って
阿川さんには絶対受け取らないでと言った
出会いのシーンが雨の日なのは偶然だが、雨の中で天使が現れる
主人公はきっと良い絵の本物を飾ってるだろうということで、高山夏樹さんの絵に白羽の矢をたてた
絵を先に決めて、絵が入る家をロケハンで探した