穴に落ちて打つ手が見当たらない主人公。そして穴に落としてみたものの、さて、それからどうしたら物語が動くのか見つからない製作者。
主人公は当然登ろうとする。製作者もそれしか思いつかないからそうする。
僕なら、穴に落ちた不遇を表現する舞を主人公に躍らせる、もちろん流れるのはヴィヴァルディの春。ひとしきり踊らせよう。なんせアイデアがない、尺だけは稼がないといけない。それでもせいぜい5分いや、3分しか埋められないだろう。あと95分くらいは稼がなければ。
途方に暮れる。とはこのことかと思った。
穴に落ちるのも怖いが、穴に落としてからのストーリーが思いつかない製作者であることも想像すると二重に怖くて楽しめるという嘘をついてみる。
真面目にいうと、原題ブレスというだけあって、息づかい、が生きていること、そしてその人の精神状態を表すもの、多分、本来は暗くて何も見えず息づかいだけが聞こえる状況だったのだろうけど、それでは映画にならず、明るくしてみたら作品にならなかった。ということだと思う。
ゼログラビティをパクった感じのラストは腹たった。