この2人が監督で、このタイトルとポスタービジュアル、伊藤沙莉さんと竹野内豊さんの主演なら、ハードボイルドを装ったコメディをイメージしてしまいますが、オムニバスのような群像劇でした。
主人公のマリコの登場シーンが少ないし、そもそも探偵らしいこともやっていません。主軸の物語がありつつも、マリコのバーの常連客の群像劇が脱線しすぎていて、映画としてまとまりがなく、ちぐはぐな印象です。ところどころ映像がチープなのは意図的なものでしょうが、テレビシリーズが似合う素材です。
このタイトルは、15年前のあの日のことを意味しているのでしょうか。マリコはその過去から完全に解放されていませんが、それなりに現在の人生に満足しているようにも思えました。このバーの雰囲気はなかなかいい感じです。
MASAYAが忍者という設定は奇想天外ですが、現代の新宿とアンマッチなところをうまく表現すれば面白かったと思います。終盤で警官に職務質問されるシーンがありましたが、あんな要素がもう少し欲しかったです。ただ、マリコとMASAYAが出会ったきっかけからすると、そのまま恋人になってしまうのは倫理的にいかがなものかと…。
映画のクオリティは疑問ですが、監督たちがやりたいことをやっている雰囲気は悪くないし、そこに共感できれば面白いはずなのに、ちょっともったいない作品でした。