ヒノモト

百年の夢 デジタル・リマスター版のヒノモトのレビュー・感想・評価

3.8
1972年のチェコスロヴァキア(現在のスロヴァキア)のドキュメンタリー作品。
厳しい環境の中、孤独に生きる老人たちの姿と人生の意義を唱えた内容。

デジタルリマスター版になって、やっと観られました。
平たく言うとインタビュー集なんですが、合間に挿入される写真が大変美しく、そのしわの数が人生の年輪を感じさせて、そこに重なる環境音も含めて、退屈さは全くありませんでした。

老いや死を実感する世代から離れた若い方だと、響きにくい作品かと思いますが、身体を動かすだけでも苦労される姿、それでも牧畜や農作業などの労働に生きがいを感じているのは、衰えを感じ始める世代としては、頭の下がる思いで、観ることが出来ました。

多くを語る映画ではないですが、当時共産主義にあった国の満たされない状況を鑑みると、孤独に生きる選択を強いられた方も多くいたのではと思い、名前すらない老人たちが生きた歴史を肌で感じるモノクロ映像が、美しく記憶に残りました。
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