BGMや無駄なカットは一切なしのワンシチュ作品。
ひたすらに会議を見せつけられる110分間。その議題は、「ユダヤ人の虐殺について」
小料理と酒をつまみながら、1つの人種の運命を淡々と議論し処理してゆく姿は、まるでどこにでもいる普通のサラリーマンのよう。
至って彼らは真剣なのだ。真摯に崇高に冷静に、ユダヤ人の血を根絶やしにする方法を熟考しているのだ。これほど恐ろしいことが他にあるだろうか。自分の思考が誰かに操られているものだと疑いもしない様子は、何だかジョージオーウェルの1984年を思い出させた。
110分間ただ黙って観ることしかできない自分にさえも罪悪感を覚える、そんな緊迫したカオスを目の当たりにしました。
