えれき

フェイブルマンズのえれきのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.6
スピルバーグの自伝的作品

家族の物語とはいっても、やはりスピルバーグが撮ると普遍的な出来にはならず、どこか不思議な雰囲気が終始漂う

「家族を取るか、映画を取るか」という命題に、母親の秘密を知ったことから一度は映画を捨てようとするんだけど、結局はまた映画に吸い寄せられていく

家族の修羅場でも、それをもう1人の自分がカメラを向けてるシーンは、なかなかに狂気的というか、映画に魅入られた者の抗えない業を感じた

結構風変わりな家庭環境で、登場人物にはあまり感情移入が出来ないまま淡々と物語は進むのだけど、この環境下で映画人としてのスピルバーグが形成されたのかと思うと、非常に興味深い

ラストシーン、J.フォード監督の地平線の話は胸アツだったな
D.リンチだったのビックリしたけど笑
このシーンでスパッと終わらせるあたり、やっぱりスピルバーグは凄いなーとあらためて思った

誰にでも共感できる家族の話ではないけれども、映画好きは一度は観ておいて欲しい良作!
えれき

えれき