えれき

悪は存在しないのえれきのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.1
濱口監督の本作のインタビューがとても興味深かったので、会社帰りに鑑賞

恥ずかしながら濱口監督作品は初見だったのだけど、最初から最後までもうずーっとやられっぱなし

まだ5月の半ばだけど、今年観た作品の中ではダントツに面白かった!

まったりとした長尺シーンに少ないセリフ廻しと、静寂が支配する雰囲気とは裏腹に、常に不穏な空気が漂い、最後の唐突で思いもよらないラストシーンに放心状態…

ラストの解釈は様々だと思うのだが、自分的には、ある想いが込み上げてきて涙が止まらなかった

自然の中で生活していく事の難しさを身をもって知っているからこそ、色んな事を逡巡して必死でバランスを取ってきたことを想像すると、最後の行動も腑に落ちた

区長先生の「上には上の義務がある」て考え方は痛く刺さったな

物事の欠点を無理やりポジ変換したところで、それは問題の解決にはならないもんな
注意深く一つ一つ丁寧に解いていかないと

劇伴も素晴らしくて多々勉強になりました

いやー、とにかく物凄い作品に出会ってしまった
えれき

えれき