ぶちゃ

フェイブルマンズのぶちゃのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.0
スピルバーグの半自伝的な部分もあって、列車の激突シーンでのトラウマから始まる映画人生というのも、らしいなと。
加えて自分も幼少期に見た「バタリアン」でタールマンが頭に齧り付くシーンでワクワクして映画を見るようになったから主人公に自己投影はしやすかったと思う。

しかしながら、手放しに良作とはいえない。
やれ、"芸術"として映画や物事を捉える人が出てきたり、どう映画と向き合うかの主人公の葛藤部分や、映画が映し出すのは虚像なのか現実なのか?と作品自体が問いかけてくるものの、主人公がその答えを出すことがなく流されるだけのタイプでしかないのは作品のウィークポイントだと思う。
ラスト近辺で、なぜか出てきたデビット・リンチが画角を例えにそれなりの人生観を伝えてくれるけど、まだ弱い。

また、それ以上に問題なのは大怪獣ミシェル・ウィリアムズに作品を大破壊されてしまっていること。
見た目のまんま、いつも通りの拗らせおばさん役なのだけど、そこに尺や作品のウェイトを置きすぎだし、そのメンヘラ怪獣は作品に求められているものではない。
それでもって2時間半近い尺なのは、ミシェル・ウィリアムズ居るか?と。
旦那役がポール・ダノなのも、お前いつも寝取られてないか?と悲壮。

あと、イジメられたかと思いきや宗教狂いの彼女が出来てみたいな、雑にとっ散らかった脚本はスピルバーグも歳で考える力衰えてきてるのかなと。
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