ラグナロクの足音

マンティコア 怪物のラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
4.0
お手本みたいな構成で参った。基本的にはボーイミーツガールだが、ペドフィリアから脱却しようとする青年の心の動きが凄く丁寧に描かれている。ベルムト監督らしく内容も相変わらず東京愛に溢れていたが、今回は小児性愛気味なアニオタ日本人男子への皮肉?死んでも死にきれない輪廻の地獄という仏教表現が会話にあったので、終盤、半身不随のマンティコア(人面獣)になって以降はいわゆる妄想の世界かな。
CGクリーチャーデザイナーのシャイな男が、お隣で発生した火事から少年を救ったことでパニック障害になると同時にペドフィリアに目覚める。気を紛らわそうと夜の社交場にでるようになり、やがて重病の父親を介護している女からのアプローチを受けデートする。彼女の父親が死んだことで彼女に人生を捧げることを決意しこの上ない幸せを感じる彼であったが、自慰のために会社のPCで作った全裸の少年の3D映像が外部に漏れて会社を解雇、さらに彼女から絶交を言い渡され狂った彼は、冒頭で救った少年に薬を盛りレイプしようとするも、壁に飾ってあった少年が書いた彼の似顔絵(獣の身体に顔が乗っかっている)を見た途端強烈な罪悪感に打ち滅ばされ飛び降り自殺。半身不随となった彼を彼女が看取るラスト。
ラグナロクの足音

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