健一

こんにちは、母さんの健一のレビュー・感想・評価

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)
4.0
このタイトルって もしかして・・・


数年前に中国で900億円稼ぎ出した大ヒット映画「こんにちは、私のお母さん」へのオマージュ?
それとも偶然?

なんて思いながら鑑賞を始める。
結果。多分 全然関係ないね。😅

山田洋次監督。御歳91歳。本作で90本目の監督作。
「男はつらいよ」を年に2本 監督していた時期があったのでこんな本数になっちゃってるんですね!
91歳で90本ってホントすごい偉業ですよね!
頭が下がります。🙇‍♂️

そんな巨匠の90本目は吉永小百合さんとの6度目のタッグ作。
相手役が大泉洋というなかなかのチャレンジ作。😅
『昭和の日本』を数多く描いて来た巨匠が描く『令和の東京』。
東京在住のわたくしを満足させてくれるのか・・・


さて本作。 ネタバレあり 😊


オープニング。
連(つら)なるビル群が邪魔をして晴天の青空が半分しか見れない。
ところどころに現るスカイツリー。
何度も登場するので『ウザい』と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、大き過ぎて(長過ぎて)どこからでも見えるんです。😅
そして。
下を見下ろせばまだまだ残っている『昭和』のような下町の雰囲気。そして人々。
時代が変わっても変わらぬ生活を続けている人たちがまだいるのだ!
この演出が素晴らしく また 温かい。
山田洋次監督の健在さを感じ、沁みる。🥹

大泉洋は『第二の寅さん』になれるのか?
観る前は正直 不安だったが、なかなかどうして。意外と山田洋次ワールドにハマっているではないか。😳
コンプライアンスが厳しい現代。
寅さんのような『毒舌』が吐けない悲しい現代。
かわりに大泉さんを始めキャスト達は令和の『ソフトな笑い』『家族事情』を嫌味なく劇中で展開してくれていて、シニアの多くの観客たちも『笑い』で答えているこの劇場内の温かい雰囲気。
これこそが『山田洋次作品』なのだ!

整理解雇、別居、娘の家出.....離婚、退職。
嫌なこと、つらいことばかり。
くたびれた息子は母を訪ね実家に立ち寄る。

私は20代の頃 一人暮らしを始める前に母を病気で失っているので この光景がなんとも羨ましい。

大泉洋さんを始め 寺尾聰さん田中泯さんと男性陣の演技が素晴らしく主役の吉永小百合さんが少々喰われてしまっているのが ちょっと残念。

「男はつらいよ」に通じる東京の下町に住む人々の『人情喜劇』『悲劇』をスマホやウーバーイーツなど現代的な要素を用いて『暮らし』を描いてくれているのが「男はつらいよ」ファンにとっては嬉しい今回の新作。
シリーズ化して とまでは言わないが『パート2』ぐらいは見たいかな。😅

ただ。

ラストの『今日は花火大会&息子(大泉洋さん)の誕生日』という設定はちょっとやり過ぎ、というか出来過ぎ。かな。
密集した住宅群が邪魔をして打ち上がる花火も半分しか見れない。🎆
この辺も東京ならではなのだが、こんな『最悪の日』に誕生日&花火大会にするのは少々いらやしい演出。🥵

とは言え。

山田洋次監督作品のファンの期待に見事に応えてくれている『令和時代を代表する巨匠の名作』と言っても過言ではないのでしょうか。

上京して来たばかりの若い子たちに是非 東京の映画館で鑑賞してほしいな。😀



2023年 9月11日 12:40〜
船堀シネパル theater 1
💺118席
客入り 8割くらい埋まってた。😳

予想はしていたが・・・
まぁ、観客はほぼシニア。😅💦
だよね!

約10年半ぶりに訪れた東京都江戸川区にある船堀の2スクリーンの小さな映画館。
なるべく本作を東京の下町の近くの映画館で見たかったので・・・
久々に訪れたこの街も大きなタワービルが立っていて、全国チェーンのフォースト店もたくさん出来ていて・・・🥹
10年前に訪れた時に見たのは同じく山田洋次監督作品の「東京家族」でした。


えっ!
明日(9月13日)で92歳!😳
おめでとう御座います。  ㊗️
健一

健一