だいすま

あしたの少女のだいすまのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.2
予備知識無しで鑑賞。
なるほどこういう作品だったのかー、と思いながら冒頭から引き込まれた。

韓国の学歴社会の酷さは今や日本の比では無いと思うし、スカイキャッスルなど大学受験もの的なドラマもあるから何となく垣間見る機会はあったけど、確かに「高卒」の子達を描いた作品って観た事なかったよな…

大学を出るからとて就職が大変な韓国において、余程突出した才能が無い限り、高卒であれば尚更推して知るべしだろう。
本作は、こうした高卒の子達の厳しい就職事情をリアルに描いていて、大人達に騙されて生きる若者のしんどさが重く伝わってきた。
国・学校・ブラック企業が手を組んだ壮大な低賃金労働者派遣スキーム。

これはもう、どうやったら抜け出せるのだろうか…という蟻地獄のような世界だし、だからこそ強烈な学歴社会が生み出される負のスパイラルが未だ継続しているのだから気が滅入ってしまう。

前後半の二部作的な作りもメリハリがあって良かったし、ドラマ秘密の森のようなペドゥナの演技もマル。

今の日本の高卒の子達も似たようなものなのか…、そうで無い事を祈るばかりだ。
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