酔って暴力事件で刑務所にいる元芸人の金井。元マネージャーの葉山は、彼に結婚報告をするため、元相方の奥貫を連れて初めての面会に行く…だけなのに色々起きちゃうロードムービー。
あれこれプチ事件が起きるんだけど、誰も大騒ぎしない、この状況なら自分もそうなるな〜って思える、静かにリアルな反応を見せる登場人物達が地味に可笑しいw
短編の良さ、細かい深堀はせず色々削ぎ落とせるからこその、心地好い展開。
いちいち説明が入らなくても、観る人がちゃんと想像できる、観る側の想像力を信用してくれてる範囲内で作られていた。
個人的に、すごい好きな空気感でした。
セリフは少ないけど、奥貫の心の動きを追っていくと、ちょっと切なかったり、応援したくなったり、あたたかい気持ちになれる。
道すがら出会った人によって、何度か「自分は芸人だった」ことを思い出すことになったり(それも嫌ではなさそう)、面会した金井は塀の中でも相変わらず芸人で、自然と2人でネタの相談が始まったり…今は何者でもないはずなのに、やっぱり根っこには芸人の自分がいる。
それが最後の銭湯でのセリフに繋がってるのかな。
で、来なかった人は何者なんだろ?w