このレビューはネタバレを含みます
クリードの幼馴染でムショ上がりで保護観察中のデイミアン。ある日ドラゴはパーティで襲われチャベス戦が絶望になり、デイムを対戦相手に推すクリード。負け犬の物語がここから始まる。
「アポロ・クリードは負け犬にチャンスを与えた。お前は?」
デイミアンが戦うきっかけ作りが浅いというか予定調和的な部分がスッと入ってこなかった。もっとクリードが育て上げるシーンとか、デイミアンの過去とかを深掘りしてほしかったかな。サーカスにならない、ボクシングとしての心構えとか哲学とかをインプットして、やっぱり野良戦になるじゃんって時にしっかり決めるみたいな。「タイミング、制御と集中」みたいなところをもっとデイミアンに注いでほしかったと思ったけど、デイミアンが今回悪役だと理解して納得。
チャベス戦はあっさり終わり、残り50分どうするのかと思ったら、ここから過去を紐解く展開に。お互いに孤児院で育ったふたり。兄貴分のデイミアンはレオンの暴力からアドニスを守ろうとするも警察に捕まるなど因縁も。ドラゴへの襲撃もデイミアンが仕組んだものだったり。
母親の死、デイミアンとの決別、アドニスにとってこれが最初で最後の、自分自身との、自分のための戦い。古傷をボコボコに狙ってくるデイミアンがガチのヴィランすぎて良いけど、チャベス戦でも反則ギリギリの戦いをしてたのに世間の声が描かれず普通にチャンプ化しているのが少し違和感。
観客がいなくなってふたりだけの世界での戦いと化している演出がめちゃくちゃ彼らの内面にフォーカスしていてよい。
これで終わりか、という全体的になんだか浅い感じの印象でした。
「父親そっくりね」
「別の生き方を見つけて」
「お前はアドニス・クリードだ」
今回はスタローンは制作に名を連ねているものの意見が通らなかったということで、ダークな部分も作り上げているね。