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劇場版 センキョナンデスのKUBOのレビュー・感想・評価

劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)
3.2
評判がよいようなので見に行ったのだが…

酔った。もともとYouTube用の映像なのでパンも荒いし、映画館の大きなスクリーンで見ると酔う。私が画面酔いに弱いこともあるけど、これは配信をスマホで見る方がよかったかも。

さて内容は、前半はあの『香川1区』を外からなぞる感じ。

本作は基本「立憲」よりだから、小川淳也の応援と平井デジタル相を茶化すといった感じだけど、これ見ると、今更ながら、なんで政務調査会長を辞めちゃったかなぁ(?)とか、泉じゃダメなんだよ、とか愚痴がこぼれそう。

安倍元総理暗殺事件はそれほど大きく扱われない。それより後半は大阪・京都の自民vs立憲vs維新の三つ巴にフォーカス。

おもしろかったのは、自民党議員が言う「とりあえずビール」論。今の大阪は、居酒屋に入って特に好きでもないのに「とりあえずビール」と言ってしまう感覚で、「大阪府民なら維新」に入れちゃうというのだ。あれだけ吉村の顔を毎日毎日見せられたらそうなると。

もう一つ、菅元総理vs維新の闘い『闘うリベラル』問題にもフォーカス。菅さんの「ヒトラー発言」から始まった問題だが、これにはかなりしつこく食い下がっていた。この問題について考えれば考えるほど、この先の日本の政局の未来が見えなくて頭を抱える。

ブレる男・泉代表は維新との連携に意欲を燃やしちゃってるけど、これだけはっきりと「維新はダメだ」と言っている層を抱えて連携などできるのか? していいのか?

逆に、野党が一本化して二大政党制に持ち込まなければ、今の小選挙区制では乱立する野党は永遠に野党のままだ。自民党からの一部離脱組を含めた大々的な政界再編でも起こらなければ、未来に希望は見えない。

もう一つ、今日、珍しく、おばあさんに挟まれての映画鑑賞だった。おそらく本作は、若い人にも政治に関心を持ってもらおうと企画されたものだと思う。にもかかわらず、観客の多くが高齢者であるという現実が、いかに若い層が政治というものに関心を持っていないか、希望を持っていないかが伺えて、そのこと自体を憂いた。

ただ、突撃取材をしていたダースレイダーとプチ鹿島のお二人、YouTubeという媒体が、テレビや新聞などの会社にしばられない忖度のないジャーナリズムとして今の時代に存在意義があることを示してくれていた、その意欲には拍手を贈りたい。
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