りょう

それでも私は生きていくのりょうのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
3.4
 ミア・ハンセン=ラヴ監督の作品は初めて観ました。フィルムで撮影された映像にこだわりを感じられます。
 フランスのシングルマザーの日常ですが、父親の介護と子育てと不倫の恋の毎日がテンポよく描かれています。これといって驚くようなエピソードもありませんが、娘と母親と女性という1人3役に少しずつ悩みながらの暮らしです。「それでも私は生きていく」なんていう邦題だから、もっと苦悩する女性の物語かと思いましたが、周囲の人間関係にも恵まれているので、あまり辛そうでもありません。
 5年前に亡くなった夫の友人と簡単に不倫関係になるなんて、彼女はドライな性格だったのかもしれませんが、クレマンの妻が登場しないので、彼女と一緒に罪悪感が煽られることもありません。なかなか特徴的な演出でした。
 レア・セドゥは、2013年の「アデル、ブルーは熱い色」から注目していますが、それ以来のショートヘアがよく似合います。個人的にショートヘアの女性に魅力を感じてしまうので、他の作品よりも女性の色気を抑えていても、少ないとは言えないラブシーンでは、かなりムンムンでした。
 8歳の娘が母親の恋愛をちゃんと理解しているところが興味深かったです。まだ思春期ではないのかもしれませんが、フランスではこれが普通なんでしょうか。
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