このレビューはネタバレを含みます
泣きました。これはゴジラを使い、戦時下から戦後の戦争後遺症を描いた映画です。自分の戦争は終わってないと言うベタな設定が、後ろめたさや劣等感、何かから逃げている、逃げた経験のある人は凄く共感すると思います。今でこそ、PTSDやサバイバーズ・ギルトと呼ばれていますが、そんな症状だらけの日本人が、ゴジラとの戦いで、心の戦後復興へ加速する物語とも言えます。敷島だけでなく、作戦に参戦した元軍人達はみんなそうだと思います。
典子こと浜辺美波、ユウガオのお姫さまみたいな可憐さはないけど、泥臭く生きる様は逆に美しかったです。でもパンパンはさせたくないな、その後の敷島の行動はそれが大きかった気がします。敷島こと神木隆之介、明るい万太郎とは真逆のキャラクターを演じていましたが、悲痛感に関しては経験不足？でもいい味出してました。まんぷくの福ちゃんもいましたね。朝ドラファンは楽しめます。そして二人が急にくっつかず、自分の戦争が終わってから、時間をかけて夫婦へ近づく描写が良いです。
二番煎じと言うのか、インデペンデンス・デイのラストみたい！鬼滅の刃の鬼の再生みたい！過去の類似シーンと時々ダブります。ただそれはマイナスとも限らず、逆に楽しい時もあるので、それもまた良しです。そんな意味で、斬新さは少ないけど、戦後の人間の深い部分を取り扱い、涙腺を擽る要素も高く、かなり感情移入できる作品でした。
あのラスト、あるよね続編、きっと現代が舞台？あきこちゃんが時代を繋ぐキーパーソン？そして浜辺美波と神木隆之介が、あきこ婆さんの孫世代役で再登場！色々と妄想は膨らみます。ただ本作のゴジラ出現が、戦後復興を加速させるための神の思し召しだとすると、現代においてもある種の病巣がないとゴジラは現れません。現代人、どのくらい病んでいるかな？
