A8

ゴジラ-1.0のA8のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.1
ゴジラ作品は、50年代の1番最初の作品しか見たことなかった。だが、海外留学前にハリウッドウォークにも名を刻んだ日本のスター“ゴジラ”を経験したいと思い、いざ鑑賞。

ゴジラの圧倒的存在感すごかった、、。
と、並ぶくらい終戦直後ゼロになったが、必死に前を向き生きようとする日本人たち、、そして、“まだ戦争は終わっていない”と重い十字架を背負い、懺悔で苦しむ人々のストーリーを対ゴジラにうま〜く持っていっていた素晴らしい作品。

“死んでこい”が一番の時代から“生きて帰ってこい”と生きるための戦いなんだ!という強い気持ち、、“生きる”というあたりまえとどうして思ってしまうことの“偉大さ”をひしひしと感じ取れた。

主人公の怒涛に訪れる後悔や懺悔そして“生きる”を忘れた彼にやってきた“生きる理由”。
だが、それをもまた失ってしまった彼の計り知れない絶望感。こういった苦しさ、悲しさ、言葉では表現できない感情を抱えて彼らは皆生きていたんだろうなと。そんなに苦しくても“生きる”ことを見失ってもなお、誰しも生きる理由があるのだろう。彼の生きる理由は“ゴジラ”だったのかもしれない。懺悔を果たすために、未来を守るために、彼の覚悟を決めた顔は印象的だ。

生きる意味とは考えるモノではないのかもしれない。小さなことでも大きなことでも全力で何かに取り組んでいたあの頃みたいに、生きる意味すら考えたことがなかったあの頃みたいに。

最後不思議なことが起こる。それは最初にゴジラが現れた時よりも恐怖と不穏な雰囲気が漂う。だが、不幸か幸運かはさておき、彼らはまだソノコトを知らなかった、ゴジラはあまりにも強いということを、恐ろしいということを。あのアザは、新たな恐怖の始まりなのかもしれない。
こういったように簡単にハッピーエンド!で終わらせることはしないところ、、かなりこの作品は特別なモノであると感じると同時に好き!になった。そして、改めて“ゴジラ”の存在感、絶望感を感じた。

ゴジラがやってくる不穏な音楽は鳥肌モノ。そして、その鳥肌の期待を裏切らない絶望的な存在感とビジュアルに恐怖を感じる。まるでこの作品の登場人物と同じ世界に住んでるかのように。

日本が誇る“ゴジラ作品”その特別に愛される理由を強く知った。
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