よっちゃん

ゴジラ-1.0のよっちゃんのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.8
自分が攻撃を躊躇ったことによって、①大勢の人が死に、②自分は生き延びてしまった、という2つの自責に取り憑かれたことを「自分の戦争は終わっていない」と表現した神木隆之介が、最後あのやり方で倒して「戦争が終わりました」は正直だいぶ無理があると思った。戦前=逃げたら負け、戦後=逃げることも選択肢、という極端な対比が、神木の心理変化の描写には全く反映されてなくて理解に苦しんだ。脚本上の整合性、監督の意向、時代の要求など鑑みると何一つ間違ってはいないけど、当時の状況であの性格のあのキャラをあの設定に放り込んだとき、どう考えてもあの終わり方じゃハッピーエンドにはならないよなと思った。戦争映画で具体的な個人の心象や葛藤に重きを置くことで政治的価値観から切り離す手法は上手かったけど、プロットのスピード感に登場人物たちがついていけてないような印象が強かった。全体としては面白い。細かいところが雑。
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